
社長メッセージ
経営資源の集中と商品イノベーションにより「AGP2015」の達成を目指します。
2013年3月期(第59期)の連結業績は、グローバルレベルでのランニング事業の強化・拡大策が奏功し、売上高は2,601億円と前年同期間比で増収となりました。利益については、営業利益は仕入コストの上昇などに伴い186億円となりました。当期純利益は移転価格税制に基づく法人税等追徴税の還付金および還付加算金の計上により137億円となり、前年同期間比で増益となりました。
欧州債務危機や新興国経済の減速が懸念される不透明な状況でしたが、機能性とデザイン性が高いレベルで融合した商品の投入や積極的なマーケティング投資を継続的に行ってきた成果もあり、日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどの各地域において現地通貨ベースで増収となりました。なかでもアメリカでは、昨年にランニングシューズのトレンドの変化に対応し、軽さと履き心地を追求しカラフルな色使いのランニングシューズ「ASICS 33」コレクションを投入したことなどにより、2桁成長を回復しました。また、ブラジルでは、前年比30%を超える売上成長を継続しています。
当期は増収、当期純利益で増益となりましたが、中期経営計画「アシックス・グロース・プラン(AGP)2015」の目標に掲げた2016年3月期の連結売上高4,000億円を達成するためには、成長の加速が欠かせません。そのため、当社のブランド認知度向上が期待でき、かつ市場の安定成長が期待できる米州を最重点地域と位置づけています。
アメリカでは、当社が強みを持つランニングシューズを中心に売上拡大を図ります。市場が拡大する一方で競争も激化しているため、新商品の投入とともに、フラッグシップショップとアウトレットストアをオープンすることを計画しています。また、ブラジルでは、2014年のサッカー・ワールドカップ、2016年のリオデジャネイロオリンピックの開催を見据え、積極的なマーケティング戦略を展開していきます。
その他、ヨーロッパでは、ランニングシューズでトップシェアのドイツやフランス、今後の市場の成長が期待できるロシアなどの新興国で拡販を図っていきます。
国内においては、2013年1月に世界本社機能と日本事業を分離させる組織再編を実施し、流通チャネルに応じた販売戦略・施策を迅速かつ、きめ細やかに実施する体制を構築しました。国内における成長軌道を確実なものにするため、小売店との連携を強めるとともに、アシックスの世界観を表現できる自主管理売場の拡大や自社インターネット販売チャネルの強化を図ります。
また、国民的スポーツであるベースボール事業については、2013年シーズンの新商品からすべて「アシックス」ブランドに統一するとともに、アシックススポーツ工学研究所で培ってきた知見を生かしてアシックスらしい高機能商品を展開し、順調なスタートを切ることができました。
アシックスグループが持続的に成長していくためには、グローバルな経営体制の構築とグループの将来を担う人財の育成が必要です。
経営体制については、すでに海外子会社において、現地のスポーツマーケットで豊富な経験を持つ幹部を採用してきましたが、世界本社機能を強化するため、商品企画やブランド戦略、および法務・コンプライアンスを統括する部署などにも外国人の幹部を採用しました。国籍、文化、年齢、キャリアなど、異なるバックグラウンドを持つ人たちがお互いの意見をぶつけ合い、議論することで新しい視点が生まれ、創造的なアイデアにつながると確信しています。同時に、多様な人財が同じ目標に向かってベクトルをあわせて邁進できるよう、外国人の経営幹部や従業員を本社のある神戸に呼び、アシックスが創業以来守り続けてきた企業理念やDNA、すなわち「アシックススピリット」の浸透・共有を図っていきます。
また、2011年に開設した社内人財育成制度「アシックスビジネスリーダースクール」を活用し、グローバルで活躍できる人財の基盤作りにも努めていきます。
世界統一ビジュアルによるブランド広告や、世界各地に展開する「アシックスストア」でアシックスの世界観を伝えてきたことによって、当社のブランドの認知度は格段に向上しました。一方で、さらに高みを目指すためには、新たなブランド戦略を展開する転換点にあると認識しています。当社ブランドの持つ「高機能」「高品質」のイメージを維持したまま、一般の消費者にもっと身近に感じていただけるブランドへと進化させるため、店舗演出を含むブランドデザインを再構築していきます。この点については、新たに採用した外国人幹部が持つ豊富なノウハウや経験が最大限に生かされることを期待しています。
AGP2015も残すところ3年となりました。目標達成のためには、当社が強みを持つランニング事業のさらなる強化はもちろん、市場規模が大きく、当社の強みが発揮できるベースボールやテニスなどのアスレチックスポーツ分野や、アパレル事業の拡大が欠かせません。そのためにも、グローバルに通用する競争力の高い商品の投入に加え、サプライチェーンの最適化や製造工程の効率化にも取り組み、収益性を高めていきます。そして、資本効率を考えながら、生み出された資金を将来の企業価値向上につながる分野に優先的に振り向け、AGP2015の目標である連結売上高4,000億円の達成を目指します。
株主の皆様におかれましては、一層のご理解とご支援を賜りますよう心よりお願い申しあげます。
2013年6月


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