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ころんだら、起きればよい

<鬼塚喜八郎「失敗の履歴書」より>

アシックス創業者・鬼塚喜八郎は、毎年新入社員を前にして、古代から近代へと引き継がれた
スポーツマン精神の5か条を、いつも声高らかに読み上げていた。

(第1条)
スポーツマンは、常にルールを守り、仲間に対して不信な行動をしない。

(第2条)
スポーツマンは、礼儀を重んじ、フェアプレーの精神に徹し、いかなる相手もあなどらず、
たじろがず、威張らず、不正を憎み、正々堂々と尋常に勝負する。

(第3条)
スポーツマンは、絶えず自己のベストを尽くし、最後まで戦う。

(第4条)
スポーツマンは、チームの中の一員として時には犠牲的精神を発揮し、チームが最高の勝利を
得るために闘わなければならない。そこに信頼する良き友を得る。

(第5条)
スポーツマンは常に健康に留意し、絶えず練習の体験を積み重ね、人間能力の限界を拡大し、
いついかなる時でもタイミング良く全力を発揮する習慣を養うことが必要である。

  戦後の混乱期、スポーツの意味することが、これからの生活、社会、ビジネスなどのあらゆる場面に必要になると感じた鬼塚喜八郎。人間の価値基準や行動基準が変わり、人々が穏やかな気持ちで過ごすことが困難になりつつある昨今、ここで定義されているスポーツマンは、確かに、現代を生きるすべての人の道標になると思う。そして、ここに新たな条項をひとつ、加えたい。

(第6条)
スポーツマンは、ころんだら、起きればよい。失敗しても成功するまでやればよい。